† 形違えど望は平安 †    


 深遠の色なき無の晦冥。










 神なる存在だけが








 あることの出来る





世界。





 三柱が、白く閉ざされた白き闇の中、言葉を交わす。





―― 神が、人に求めるもの。その生在る姿でなく、何を求めるというのです

―― 人は、あるがままの姿を拒絶した

―― 自ら、滅びを早めている

―― では、それを望んだのも神ではありませんか。神は、人が間違い、成長する姿を望んだからこそ、黄金の人を滅ぼしたのではありませんか

―― 神に近きものすらも滅びる。それ以下の物が、滅びぬわけはない。そして、銀、銅、英雄の時代もまた、神が滅ぼした

―― 吾らの力を忘れ、人の力量を忘れた者。滅びる以外に道はない

―― 人は創造まれた時より、滅びるために在る

―― それは、神の傲慢です

―― そうだ。だが、そなたの愛する人はどうだ。吾ら以上の傲慢を持っているではないか

―― 吾らは人を、様々な生き物を創りし者として滅ぼす
     それは吾らの権利

―― だが、・・・・・人にその権利はない
     人は、己が欲望でのみ他の生き物を滅ぼす

― 吾らが吾らの物を壊すのとは、違う

― 人を擁護しせし、女神。パラス・アテナよ
     汝は、人に何を望む

― 人に望むべきものは、人がいつか自らの過ちに気づいてくれること
     自らを、正してくれること
     在るべき姿に自ら気づくこと


― 愚かな
     嘲笑にすら値せぬ



白き無に、淡い色が混じる。



 だが、今一時、吾らはそれを見るとしよう。


 敗者として。

 そして、汝が人に裏切られ、神であることを思い出すまで。

 汝が聖闘士共に歩んでみるが良い。吾らがを楽しませるために。

 神代が蘇るのが先か、人が滅びるのが先か。

 人は、彼方方思うよりはるかに強い。
   彼方方を討ち滅ぼしたものが人であったことをお忘れなきよう。

 フッ、アテナよ、我がそなたに望んでいるものは兄上とは違う。
   我を楽しませてくれればそれでよい。

 我がそなたに望むのは、そなたの絶望の瞬間。






淡い色は世界を彩り姿を変える





神の住まうべき地






エリシオンへと。




そして、佇むのは冥府を支配しせし王ハーデス。


大洋を総べりし海王ポセイドン。


地上を、人を守りし女神アテナ。



「また、酷なことを仰る」


「それが、彼方達の、叔父様方の望みなら、私はそれを打ち砕いて見せます」


「余を失望させてくれるな。簡単に片が付いてはつまらぬゆえ」


 三界の神。


 互いに戦い、共に自らを慕う部下を失った。


「今世だけだ。そのことを努々忘れるな」


 惹きこまれるほどの蒼き冥府の瞳は不敵な色を映す。

 その眼を受け止める、母なる大地の色宿しし瞳は心よりの喜びを浮かべる。


「はい」

「この一件に関しては、感謝しますよ。兄上」

 冥府の主と同蒼なれど、優しさを秘めた深海の色。



 彼らは、互いに戦うもの。


 されど、望むのは平穏。


 ただ、その形が違うだけで。











 こうして復活しました。
 ポセイドンは結構面白い好き。
 色々と思うところはあるけれど、最終的に面白ければOK!な神様。
 だから、面白そうだと思ったアテナに味方したのだ。

 次からギャグにいけたらいいな。